ワイドショーを見ながら片手間にクリームを塗ったり、ただ気持ちいいからと、意味もなく化粧水スプレーを顔に吹きかけたりしていませんか?そういうお手入れは化粧品に対して失礼だと私は心から思います。「1万円の化粧品を5000円にするのも、2万円にするのもあなたの使い方次第」と私はよく言います。その意味は、ただ何となく化粧品を肌にのせるのと、心を込めてつけるのとでは、その効果がまったく違うということです。こんなことを言うと、「まさか!そんな気持ちでつけたって同じでしょう」とおっしゃる方もいると思いますが、これは私自身が体験して実証しかものなので、間違いありません。私が39歳のとき、主人がガンで倒れました。会社を辞めてつきっきりで看病しましたが、1年半に及ぶ闘病生活の末、主人は亡くなりました。看病の疲れと、最愛の人を亡くしたショックで私はふさぎ込み、1年間、ただただ泣き続けました。すると、友達が見るに見かねてこう言いました。「いつまで泣いているの?自分の顔を見てごらんなさい!」私は夫が病に倒れて以来、鏡を見ることすら忘れていたのです。そして、鏡の中に映った自分の顔を見て、愕然としました。目の下はクマで真っ黒、目尻にはドレープのようなシワができ、まるで別人の顔でした。それから私は毎日鏡を見ながら、「きれいになって!神様、お願いします」と、まさにすがる思いでお手入れをしたのです。乾ききった肌にローションパックで水分をたっぷりと与え、美容液で栄養分を入れ込み、シワも引っ張って伸ばすように心がけました。すると、3ヵ月ほど経ったころからでしょうか、しだいに肌が元気を取り戻していったのです。そして、私は1年かけて肌を甦らせ、堂々とクリスチャンーディオールの面接に挑戦。45歳でインターナショナルートレーニングーマネージャーとして、再び美容の世界へ戻ることになりました。もしあのとき、私がボロボロになった自分の肌を見て、「もうダメ、美容業界になんか戻れない」とか、「どうせもう、きれいになんてなれないんだから、お手入れしなくてもいいわ」なんて投げやりになっていたらどうでしょう。おそらく今の私はなかったと思います。
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