通常、人身傷害特約はいまや自動車保険の七〇%に付帯されているといわれているんだが、実はこの人身傷害特約の不払い調査がまったく手つかずで放置されていた。理由は、人身傷害の不払いを確認するには、契約者や被害者から書面で個人情報の取り扱いに関する同意書を取り付けて、他社にある事故関係書類一式を取り寄せ、支払金額を確認しないと、いくらの金額が不払いになっているか判断ができないからなんだ。損保各社とも、さすがにそんな面倒くさいことまで金融庁も言わないだろうと高をくくっていたんだな。ところがだ。二〇〇六年一一月一七日に金融庁は一連の不払いをめぐる社内調査が遅れている上、ずさんな会社があったとして、再々調査命令を損保二六社に対して出したんだ。そこで初めて金融庁が本気だということがわかった。それで慌てて、保険金不払い対策本部まで設置して、アルバイトを大量に雇って膨大な件数の書類を点検しはじめたんだ。